磐田青年会議所スローガン つなげよう心と心想いと想い絆がつくる未来の創造

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磐田青年会議所 理事長所信

「はじめに」

磐田青年会議所は 1964 年の発足以来、多くの先輩諸兄が、社会の課題に対してまちをより良くするための運動を行ってきました。それはひとえにいつの時代のメンバーも強い情熱を持ち、仲間と共に、まちのために行動してきたからです。

さて、現在の磐田を取り巻く環境は、全国的にも課題となっている少子高齢化や若年層人口が流出していることにより、生産年齢人口が減少し、まちや企業の活力が失われてきている状況にあります。今後、更なる生産年齢人口減少が予測される中で、明確な対応が出来ているのか疑問が残ります。一方でチャンスもあります。地方の活力低下が懸念されている中で、地方での起業・就業を創出することを目的とした政策の実施や、まちづくり・まちおこし活動などへの助成金をはじめとした地域を盛り上げる活動への支援の推進、豊かな自然の中で暮らしたいというニーズの増加など、地方活性化への動きが活発になっています。依然として厳しい状況が続く中ですが、まだまだ未来に向けて今を生きる私たちにできることは多くあるはずです。このような時代の流れの中で、磐田の未来のために目指すことは、地域の魅力を向上させ、人が集まるまちにしていくことです。そのためには、若者のまちづくりにおける当事者意識を高め、社会の課題に対して、私たち青年会議所が積極的に変革を起こしていくことが必要となります。

「青年会議所の意思を次代につなぐ」

磐田青年会議所が加盟している日本青年会議所は、戦後の焼け野原から日本の再建を志として掲げ発足し、75年間という長い歴史の中で幾多もの困難を乗り越え、地域をより良くする運動を展開し続けてきました。その中でも、JCI VISIONやJCI MISSIONなど組織の絶対的な存在意義や使命を掲げ全国各地にその運動のフォーマットを展開しています。私たちも磐田の地でこの理念を基に長期間にわたって素晴らしい運動を行ってきました。

また、青年会議所は多くの学びの機会があり、貴重な経験ができる場です。私も、活動を通じて多くの仲間と出会い、困難に挑戦していくことにより、自身の成長につなげることが出来ました。20代30代のかけがえのない時間に互いに切磋琢磨し合える最高の仲間と、自らを成長させる最高の機会がこの青年会議所にはあります。磐田のまちや人をより良くするために、青年会議所の存在は必要不可欠だと私は確信しています。そのために、一人でも多くの仲間を増やし、次代につなげていくことが私たちの使命となります。青年会議所の歴史や存在意義、考え方を理解し、自信を持って広めていき仲間を増やしていく。そうすることで磐田のまちは地域の課題に対して、当事者意識を持ち行動する若者を持続的に増加させ、地域の魅力を向上させることができるのです。

「住みやすいまちに」

「投票してもなにも変わらない」「自分の一票なんて関係ない」「政治なんて生活と関係ない」と多くの人が政治に背を向けています。諦めている人や、不信感から政治に対して無関係でありたいと思う人が増えているのでしょう。年々投票率は低い水準で維持しております。そのことにより、選挙結果に大きな影響を及ぼす企業や団体などの組織票の影響力が高まり、全市民に有益な政策を実行しづらくなる状態となります。つまり、投票率が低いことで多くの市民にとって住みやすいまちになっていかないことが課題となります。それは私たち市民が原因となっているのではないでしょうか。政治は「国民を映し出す鏡」。私たち市民が政治はビジネス、教育、税金など多くの生活に関係があるものと認識を改め、政治に興味を持つことが理想的な形といえます。多くの市民が政治に関心を持ち磐田を住みやすいまちに変えていくことを目指していきましょう。

また、私たちはJCI Korea-Seoulという素晴らしい姉妹JCがおり、交流事業により見識を広める機会があります。海外の文化や人に触れることで、多種多様な市民が暮らす私たちのまちにより良い変化を起こす一助となります。2019年を最後にコロナ禍以降途絶えた交流は昨年2024年に4年ぶりに復活しました。一時的に期間が空いてしまったことにより、貴重な国際の機会となるJCI Korea-Seoulとの交流を経験していないメンバーがまだまだ多くいます。今までの伝統を引継ぎ、更なる交流を続けていくことで、私たちの知見を大いに広げていき、まちにより良い変化を起こす力を付けることが重要となるでしょう。

「パートナーシップがより良いまちをつくる」

磐田のまちには、私たち同様に様々な団体があります。同じまちに居ながら彼らがどのようなことをしているのか、また、どのような団体があるのか知らない場合もあります。人口が充分にいた時代はそれぞれが独自に活動していても資金面や人員面では困らなかったでしょう。他団体の方々も私たち同様に以前の人口に余裕のある時代の方法では今の時代では通用しなくなっているのではないでしょうか。私たち磐田青年会議所の継続事業であるキラリ☆サマーキャンプもその一つです。2005年の磐田市合併を機にスタートしたキラリ☆サマーキャンプも18回実施することが出来ています。子ども達を対象とし、参加者も大人になってボランティアとして活動したいと戻ってくる素晴らしい事業となっています。このような事業を資金や人員減の影響を受けることなく、持続可能に変革していくことも青年会議所の運動として取り組んでいくべき重要な事項となります。また、私たちも外部の方々と事業を行っていくことで新たな学びや刺激を受けることが出来ます。互いに共存し、多くの団体にとってパートナーシップを構築することが、より良いまちをつくる土壌となっていくことでしょう。

また、私たちが青年会議所活動に対して精一杯取り組めるのは家族やパートナーの理解があるからこそとなります。普段から応援していただいている家族やパートナーにJC活動を応援してもらえるのであればこれほど心強いことはありません。そのためにはJC運動への理解や共感を深めていただき、改めて私たちが活動できることへの感謝を示す場が必要となります。

「地域資源を活かし来たくなる、関わりたくなるまちへ」

磐田には、貴重な歴史・文化や豊かな自然など全国に誇れる多くの資源があります。ですが私たちは自分が住んでいるまちのことをどれだけ知っているでしょうか。まちに当たり前にあるものが外の人から見れば魅力的に映ることも多くあります。それを自覚するには、まずは自分自身が当事者であることを自覚し、積極的にまちに関わっていこうと意識して地域と向き合うことが大切なのではないでしょうか。そして人口減少社会において、磐田の地域資源を活かし、活力あるまちとして次の世代につないでいくためにはそれらを魅力的に昇華、発信していき、磐田に関わりたい人、すなわち関係人口を増やしていくことが重要となっていきます。地域資源の課題を共に考え、全員が当事者意識を持ち、活かし、共に実践していくことで、磐田の魅力が高まり、来たくなる、関わりたくなるまちを目指していくことが重要になると考えます。

「結びに」

様々な困難がある中でも、過度に悲観することはありません。生産年齢人口が減少する中でも、できることは多くあります。まずは私たち青年会議所メンバーが積極的に変革を図り、実行していくことで地域に良い循環を促します。そこから、内外のパートナーシップを存分に活用しながら取り組んでいく事で更に広く変革は伝播していきます。先行きが見えない時代であっても、今、ここにあるチャンスを活かす人が増えることで、地域の魅力は向上します。そして、当事者として多くの人を巻き込む事によって磐田のまちに関わる人は持続的に増えていきます。結果として、定住人口や関係人口が増加し、活力ある磐田へと繋がるのです。

理想を高く持ち、前に進み続けましょう。長い歴史を持つ私たち青年会議所にはそれを実行できる多くの仕組みや協力していただける多くのパートナーシップが培われています。先達の偉大な轍を信じ歩みながら、それを超えていく変革を起こしていきましょう。

時代に合わせて常にアップデートしていく。

まずは行動。やってみて上手くいったものが真実に近いという言葉があります。答えのない世の中だからこそ私たち若者が率先して行動を起こし、より良い未来を作っていきましょう。

一般社団法人磐田青年会議所
第62代理事長 大庭 亮治